映画「太陽の蓋」の上映会を振り返って
福島原発事故避難者裁判を支える会 事務局 田渕紀子
今年も、あの忌まわしい3月11日がやってきました。ふるさとから遠く離れ、愛媛に避難された方々にとって、6年もの歳月はどう映っているのでしょう。そして、愛媛に住む我々は、あの重大事故から学んだ教訓を生かし切れているのでしょうか?そういった疑問からたどり着いたのが、映画「太陽の蓋」上映会の企画でした。あの時に何が起こっていたのかを映画を見ながら追体験することで、忘れかけていた記憶を呼び起こし、風化しかけている事件を今一度思い起こそう、と思ったのです。この企画には、原告である避難者の方も賛同してくださり、映画終了後にご自分の心情を語る時間を設けることにしました。
そのあと、地方紙には、上映会のお知らせを載せてもらったり、宅配生協等には、チラシを入れさせてもらったり、また、お知り合いの皆様には、周囲にお声かけをしていただいたりしたおかげで、上映会当日は、午前午後ともに、たくさんの人たちに足を運んでいただきました。中でも驚いたことに、参加者のほぼ3分の1は、当日券利用者だった、すなわち、仲間内のみの販売ではなく、新聞やチラシを見てこられた方だった、ということです。普段、政治的な内容の映画やトークは倦厭されがちなのです。しかし、ことが原発避難の問題になると、他人ごとではありません。今回の集客状況は、伊方原発事故への危機感を、一般の方々がひしひしと感じ始めているという現れなのではないでしょうか。